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■1-3緑内障の診断 どうしたらわかるんですか?
早期発見は、規則的な検査データの蓄積によって可能です。緑内障からあ

なたの視力を守る鍵は次の三つの必須検査です。

緑内障早期発見のための3つの必須検査threee essential studyは

眼圧検査Tnonometry
眼底検査fundus examination
視野検査perimetry

です。この3つのデータを組み合わせて診断が決まります。

眼圧検査Tnonometry
目の内部の圧力を測定します。特別の装置と特殊な技術が必要です。

おおまかには人間ドックなどの自動眼圧計でもはかれますね。最終的

な確定数字は手動の測定装置で測った数字です。できるだけ眼を見開

いてじっとしていて下さい。眼や肩に力がはいると数字が高くでます。リ

ラックスしてください。

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眼圧はいくつ位が正常か?
医療の現場では、初回測定の場合 10mmHgから21mmHgの範囲を正

常範囲とみなしているのですが、これがなかなか一筋縄ではゆきません。

眼圧の数字は微妙に変動してゆく数字です。いくつか変動要因があります。

日を変え時間帯を変えて測り統計データをとります。非常に精度の高い

データをとるには入院して1〜2時間毎に測定をつづけるやり方がありま

す。真夜中も時間毎に起こされるので、計られる方も計る医者も難行苦行です。

眼圧の変動要因
日内変動;早朝に高く真夜中が低いというカーブを描くことが多いです。

体位;腹圧のかかる体位をとると一時的に上昇します。走ったりすると

一時的にあがります。
閉瞼;眼を閉じると1時的に3mmHgほどあがります。閉じたままでいると

だんだんもとにもどります。指で眼を圧迫すると5〜10mmHgくらいは即時

に上がります。物理的なことですね。

食事;水分をたくさんとったあとは一時的に上がる傾向がありますね。



眼圧の測定装置
眼圧を測るおりの最大の難関はじつはこれです。どの装置を使っても技

術的に相当高度でして、信頼係数の高い測定結果を得ることはかなりテ

クニカルな高等技術です。

自動眼圧計;黒目に空気をあてて、その風圧による黒目の変形度を計り、

眼圧の数字に変換します。眼科診療所の日常診療ではルーチンチェック

のため使用されています。人間ドックではたいていこの機械だけですね。

この機械のよい点は麻酔薬を使わなくてすむことと測定端子が直接眼に

触れないので、副作用が少ないという点です。欠点は測定値の安定性が

低いことです。ルーチンチェックと集団検診向けの方法です。

圧入式眼圧計;黒目に端子をあてて錘で黒目を押します。黒目の凹み具

合ではかる道具です。いちいち仰向けにならないといけません。今はあま

り使われていま
せんが、自動眼圧計より精度は高いし、技術的には少々のトレーニングで修得で
きます。

圧平式眼圧計;黒目に端子をあててばねとてこで端子に力をかけます。押されて

黒目の平たくなった程度で計る器械です。眼科診療所の日常診療ではもっとも精

度の高い方法です。臨床ではこの数字が確定診断になります。欠点は麻酔薬を使

用すること。端子が直接黒目に接触することです。測定には熟練した高度の技術

が必要です。つまり職人技の測定方法なので、すべての施設でできるわけではあ

りません。
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眼底検査fundus examination
眼底検査は特に視神経乳頭の色と形を判定します。散瞳のうえで各種検眼鏡の使

用により判定します。まぶしいですがちと我慢。上をみてとか右をみてとか指示

されます。できるだけそのとおりに眼を動かしてください。最終判定はスリーミ

ラーレンズGoldman three mirror lensという眼に直接載せるタイプ器具を用いま

す。麻酔しますから痛くないです。ちと圧迫感ありますしべたべたしますが数分

ですのでがんばりましょう。

視野検査perimetry
前方の目標だけに視線を固定してくださいと指示されます、次に、光点がでたり

ひっこんだり、動いたり、突然あらわれたりします。あなたは、「あ! でたな」

と感じたらボタンを押して教えてください。まちがってもよいです。ミスボタン

は当方でチェックしながらすすめますから遠慮なくボタンを押しましょう。

3つの必須検査threee essential studyをうけること以外に早期発見のてだては

ありません。自分で自覚症状がでるころは相当すすんでます。

早期発見のための理想的な検査スケジュールは
年齢35歳で一度
年齢40歳で一度
年齢40歳以後 2〜4年ごとに一度
年齢60歳以後1〜2年ごとに一度
リスクファクター(危険要因)が高い方は、年齢35歳以後 2年ごとに一度

これくらいが理想的と思います。ただ、皆さん忙しくて、なかなかそうはゆかない

のが現実の世の中でして。。。せめて人間ドックをうけましょうか、これは内科が

メインですから眼の検査内容は不十分なのですが眼圧と眼底カメラ程度はチェック

可能です。最もよい方法はご近所の眼科を受診することです。

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