緑内障

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■1-2緑内障の分類〜さまざまなタイプの緑内障があるんですって?



緑内障の最も基本的な2つのタイプの緑内障は開放隅角緑内障と、閉塞

隅角緑内障です。今学会で話題の正常眼圧緑内障は遺伝的に日本人にと

ても多いので知識普及活動がいろいろなところで行われています。本講

もそのひとつ(のつもり)です。眼の怪我を経験したことがあるかたは

続発性緑内障も覚えて下さい。



厳格に細かい分類をするとこうなります。う!難漢字が羅列してある!

とお思いでしょうが、解説は必要な項目だけにしぼりますからご安心下

さい。



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T原発緑内障(primary galucoma)
1開放隅角
A開放隅角緑内障(POAG)
B正常眼圧緑内障(NTG)
2閉塞隅角
A閉塞隅角緑内障(PACG)
Bプラトー虹彩緑内障

U続発緑内障(secondary galucoma)

V発達緑内障

W小児続発緑内障

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2
あと高眼圧症ocular hypertensionや白内障と緑内障の違いについても言

及しましょうか。うえのリストと順序がことなりますが、まず閉塞隅角緑内障

からお話しようと思っています。



閉塞隅角緑内障(PACG)
これは緑内障のなかで最も古くから知られているタイプのものです。

目のなかの水分を房水といってまして、この房水を分泌産生と排出で

バランスをとって一定の眼圧を作っています。隅角という部分がその排水溝

なのですが、この隅角という部分がせまくなって閉じることが原因のもの

です。排水口にふたをしたようなもので、排出がストップすれば、眼球

内部の圧力が急に上昇します。このタイプは時として急性症状として頭痛、

眼痛、吐き気、虹視症状、急な視力低下がでることもありまして、

急に暗い部屋に入ったりして瞳孔が開いたときにおこりやすくなります。

開放隅角緑内障(POAG)
その隅角自体は開いているにもかかわらず排出効率が落ちてゆくことが原因

で、眼球内部の圧力が徐々に上昇するタイプのものです。ふたは開いている

けどフィルターの目詰まりがおきたようなものですね。眼圧上昇は徐々に

くることが多くて、ほとんどの人は自覚できる徴候がありません。

長期にわたる高眼圧は徐々に視神経を圧迫して損傷してゆきます。


正常眼圧緑内障(NTG)
隅角は正常で眼内の圧力がごく普通でも、視神経が損傷されるかたが

います。これは視神経自体がやわで、圧力に弱いことが原因だろうと

思われます。このタイプの緑内障は人種により発生率がだいぶ異なり実は

、我々日本人に多いことがわかっています。日本人は胃腸と視神経が

弱い人種のようですね。

幸いにして、眼圧をさらに低下させる治療が正常眼圧緑内障の場合にでも

有効です。現在、薬、レーザー手術あるいは外科的手術で眼圧をできるだけ

低く維持することにより治療します。


続発性緑内障secondary glaucoma
目の怪我の結果あるいは、ステロイドのようなある薬で隅角の機能低下が

生じることがあります。炎症、腫瘍、あるいは水晶体の急な膨張で隅角が

閉じることがあります。このようにほかの病気が原因でおこる場合を

続発性といっています。治療の方法は、原因とタイプによります。

高眼圧症ocular hypertension

眼圧だけは高いけれども、視野と視神経に異常はない、という状態ですね。

つまり緑内障ではありませんが、予備軍といった状態です。

白内障と緑内障とはちがうの?

白内障は水晶体の濁りのことでまあ自然な老化現象でもあります。

60歳より上の多くの人々が持っています。緑内障は視神経に関する問題で

まったくべつのことです。

白内障も緑内障も最終的には視力がうしなわれるのですが、白内障による

視力損失は、90%以上のよい確率で手術で治すことができます。一方で

緑内障による視力の損失は残念ながらもとにもどりません。それだけ早期

発見早期治療が必要です。



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