13号特 集 アレルギー性結膜炎 点眼薬 の使いわけ。〜花粉症の季節の眼科楽屋裏 花粉症の季節に限らず数年前からアレルギーの結膜炎のかたが徐々に増えています。眼のほうはどんな治療なのかちょっと楽屋裏をご紹介。眼科ではもちろん目薬が主体です。昔とちがい使える点眼の種類が増えて治療が少し楽になりました。そのぶん処方を考えるときに頭をひねったり迷ったりしてますが。。。こんな薬を使い分けています。おなじみの薬があるかも。 (今回取り上げたのは現時点で小生がよく処方してる点眼薬です。他にもあるとおもうのですが不勉強で、、、また勉強したら追加改定しましょうか。) 抗アレルギー剤●インタール点眼分類:抗アレルギー剤薬理作用:ケミカルメデイエーター遊離抑制。抗ヒスタミン。抗ロイコトリエン。 基本点眼回数: 一日4回 特徴:アレルギーの発症を事前に予防します。オーソドックスな薬。 抗アレルギー薬として最初に開発されたお薬です。人類が初めて手にしたアレルギーの薬といっていいと思います。古くからあるお薬ですね。一番基本的なお薬で、あらゆる病態に、はばひろく効きます。一番最初に検討するお薬です。 のんびりした使いかたをします。発症してからでも効くのですが 一週間とか毎日つけておくと予防効果がでてきて新たな症状の発生が抑制されてきます。長期使用できます。 副作用としては点眼したときの刺激が比較的強いですね。「しみる」ことが多いのですが、昔はこの薬だすと、えらいしみますが大丈夫なんですか?といった問い合わせが多かったです。この数年製剤の工夫でだいぶ楽になったようです。 ● ザジテン点眼薬薬理:抗アレルギー剤効能:ケミカルメデイエーター遊離抑制。抗ヒスタミン。繊維芽細胞増殖抑制。 基本点眼回数: 一日4回 インタールと似たような使い方をしますが、かゆみのとれかたがインタールよりはやいようです。 ●アレギサール点眼薬理:抗アレルギー剤効能:ケミカルメデイエーター遊離抑制。抗ヒスタミン。抗ロイコトリエン。 基本点眼回数: 一日2回 特徴:忘れずにつけてもらえること インタールと同じような作用なんですが、点眼回数が少なくてすみますね。十二時間に一度つけます。 小生の印象としてはインタールより薬理効果は薄い感じがしますけど、2回ですむのはやはり楽で、皆さん忘れずに使ってくれるようでその分実際的効果があります。 (自宅使用の場合つけ忘れが何パーセントでるかは実は大事な問題で専門的にはコンプライアンスといっていってます) ●リボスチン点眼薬理:抗アレルギー剤効能:抗ヒスタミン。ケミカルメデイエーター遊離抑制。抗ロイコトリエン。 基本点眼回数: 一日4回 予防効果もあるのですが、抗ヒスタミン作用が大きくて、かゆみの症状がつよくなってきたときに使用しています。 ステロイド剤ほどのかゆみ抑制効果があるわけではないですが、非ステロイド薬である程度効いてくれるのは副作用という点では本当にありがたいことです。 ●ゼペリン点眼●エリックス点眼分類:抗アレルギー剤薬理作用:ケミカルメデイエーター遊離抑制。抗ヒスタミン。抗ロイコトリエン。 基本点眼回数: 一日4回 特徴:ドライアイ合併の場合 これらも薬理作用はインタールと同じようなものですけど、防腐剤などの加減でドライアイ合併の場合によいなと思ってます。 ●リザベン点眼●トラメラス点眼分類:抗アレルギー剤薬理作用:繊維芽細胞増殖抑制。ケミカルメデイエーター遊離抑制。抗ヒスタミン。 基本点眼回数: 一日4回 特徴:結膜濾胞、結膜乳頭がでてる場合 同じアレルギー性結膜炎でも、急性炎症症状が前面にでるタイプのほかに結膜濾胞、結膜乳頭といった瞼のうらのでこぼこが目立つタイプがありまして、 このために長引いてる場合このへんの薬を選択することが増えてきました。やはり手駒は多いほうがいいなあ。 ●アイビナール点眼分類:抗アレルギー剤薬理作用:活性酸素産生抑制。ケミカルメデイエーター遊離抑制。抗ヒスタミン。抗ロイコトリエン。 基本点眼回数: 一日4回 特徴:長期化してる場合 活性酸素産生抑制作用という独特の作用(難しいですね。あまり深く突っ込まないで下さいませ。 このへん薬理学専門家のほうが詳しいかも)でして、長期化してる場合にいいことがあります。 非ステロイド抗炎症剤●ニフラン点眼分類:非ステロイド抗炎症剤薬理作用:抗炎症剤 基本点眼回数: 一日4回 特徴:アレルギー性結膜炎も一種の炎症です。この種のお薬は広く浅く効くタイプなのでアレルギーにずばっとは効くものではありません。アレルギーかな??ドライアイかな??はたまた細菌かなあーといった具合に診断が微妙な場合とか、なんらかの理由で抗アレルギー剤やステロイド剤が使えない場合などに登場しますね。 ●AZ点眼分類:非ステロイド抗炎症剤薬理作用:抗炎症剤 基本点眼回数: 一日4回 特徴:前出のニフランと同じ扱いの薬ですが、それより作用がだいぶ軽くて、その分、副作用もほとんどないといってよいタイプのお薬です。今はアレルギー性結膜炎に使うことはあまりありませんが、ちょっと思い出して懐かしかったので書いときましょう。 ステロイド剤●フルメトロン点眼分類:ステロイド剤薬理作用:強力な炎症抑制 基本点眼回数:所見に応じて 特徴:確実で迅速な効果。そのかわり副作用チェック必要で短期間使用に限る。 ステロイド剤なのでもちろんよく効きます。かゆみ、充血、浮腫といった症状がどんどんとれるのですが。。。問題は副作用が大きい広いことです。 今でている症状を強く抑えるだけで予防的効果はありません。なので症状の強い時期だけ一時的に、計画的に使用します。 もっとも大きい副作用は副腎抑制とか易感染性だろうと思うのですが、 点眼特有のものは眼圧の上昇です。(ステロイド緑内障といってます)。このへん恐怖感をもつこかたもいらっしゃいますが、注意しながら副作用チェックしながら、処方の手加減してますのでちゃんと通院してれば大丈夫です。。。。 ●リンデロン点眼分類:ステロイド剤薬理作用:強力な炎症抑制 基本点眼回数:所見に応じて 特徴:フルメトロンで効果不十分な場合に使用にふみきる ステロイド剤でこれもすごくよく効きます。(リンデロンよりも眼圧上昇作用が小さいのがフルメトロンです。) この薬は眼内部の炎症の治療に使うことがメインでアレルギーに使うことは(小生は)少ないのですが重症の場合はやむないでしょう。 ●ついでに内服薬は。。内服薬はアレルギー性鼻炎の治療用に作られているようで、小生の経験上、眼の症状にはさほど強い効果がないようです。(鼻炎もでていれば小生も内服薬処方しますけども。。。)セレスタミンといったステロイド内服剤は眼にもかなり効果がありますが、、やはり眼の症状は眼科で出す点眼がよろしいようで。。。(我田引水ですみません) (文責 高橋 秀雄) (平成15年2月6日 ひとみつうしん13号 特 集 アレルギー性結膜炎点眼薬 の使いわけ 終了。) |
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